このような状況を踏まえると、韓国のコンテンツは中国が長く待ち望んでいたものだと言える。多くの顧客を抱える中国の教養娯楽製品市場にとって、「韓国製」は安価で質の高い優れた製品だ。両者の利害の一致を背景に、韓国のコンテンツは中国市場に流れ込んでおり、そして中国は巨大な消費者から巨大な生産者に変貌しつつある。
中国の役割の変化は、大きく3つの段階に分けられる。単純に美味しい料理(コンテンツ)を買う第1段階から、料理長や原材料とレシピ(番組の著作権)を買う第2段階へ、現在はレストラン(企業)全体を買収して独自に新たな料理を作る第3段階に発展した。
最近は合法的に番組フォーマット権を購入するテレビ局が増えたが、韓国にとっては良いことばかりではない。韓国にとっては先ず、番組フォーマット権の売却以外で得られる追加収益は微々たるものだ。第2に、中国のテレビ局では海外の番組フォーマット権購入に年間の上限枠が設定されているため、フォーマット権輸出という方式は長く続けられない。第3に、中国の視聴者が韓国の番組に飽きたり、反感を持ったりすることにも注意を払わなければならない。SNSにはすでに「私たちはいつまで韓国の芸能番組を見なければならないのか」といった愚痴も囁かれている。