今年1月に米ラスベガスで開かれたCES(国際家電見本市)は異様な賑わいを見せた。他業界のメジャーらがそろってCESを狙いに定めていたためだ。その典型例は自動車産業。年に数回あるモーターショーに自動車メーカーは満足できない模様で、CESに陣営を構え、「ラスベガスモーターショー」へと変貌させようとしている。例えば、グーグルはフォードと手を組み、自動運転車を開発。楽視が資本参加する米新興EVメーカー、ファラデー社はEV技術、スマート運転技術、IoV(Internet of Vehicles)技術を融合させた「スーパーコンセプトカー」を公開した。BMWが出展した『i8』はジェスチャー・コントロール機能「エアタッチ」技術を搭載。この技術は困難とされている各種言語、方言の識別を必要とせず、音声コントロールよりも優れている。また、トヨタは高精度地図を自動的に生成する「地図自動生成システム」を展示し、位置の誤差が5センチ以下まで抑えられているという。
アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は15年10月、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、「自動車業界で大きな変化が起こりそうだ。非常に大きな変化。この業界は今、激変の分岐点に立たされている。変化は単なる進化的なものではない。ソフトウェアが未来のクルマの重要な部分になり、自動運転もより重要になる。私たちが本当にやりたい、そして近い将来に実現させたいのは、車の利用者にiphoneのような体験を与えることだ。自動車メーカーのひどい技術が、アップルに大きなチャンスをくれた」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月19日