市場調査会社「TrendForce」が19日に発表した最新データによると、2016年第1四半期(1-3月期)のiPhoneの販売台数は「ワーテルローの戦い」の如き大敗を余儀なくされた。業界関係者によると、販売台数の落ち込みは、アップル社の最近の新製品が革新性を欠いていることに大きく関係している。
データによると、今年1-3月期のiPhoneの販売台数は昨年10-12月期の7500万台から一気に4200万台へと落ち込み、下げ幅は43.8%に達した。昨年同期の5500万台と比べても1000万台の販売台数減少となった。iPhoneの販売台数がこれほど大きく減少している原因について、TrendForce社は、iPhone
6Sシリーズが「情熱をかき立てる見どころを欠いている」ことが大きいと見ている。昨年9月、アップル社はiPhone 6Sシリーズを発表した。iPhone 6SはiPhone6を土台としていくつかのグレードアップを施したものだが、大きな見どころはなかった。TrendForceのアナリストによると、廉価モデルのiPhoneSEはアップルの4-6月期の販売台数を左右する切り札となる。だがiPhoneSEが市場で中国ブランドとの激しい価格競争に直面することとなり、ミッドレンジ市場を誰が手中に収めることになるかは未知数である。
通信業界専門家の項立剛氏は、アップル社による3000元台の製品の打ち出しについて、これまでハイエンドの携帯電話市場のトップを守ってきたアップルだが、ハイエンド市場の参入者が増えるにつれて、アップル社の携帯電話製品の成長率は鈍化し始めており、新たな戦場を開拓する必要があったと分析する。
だが項立剛氏によると、アップル社が廉価版で二線・三線市場に参入したとしても、消費者がこれを受け入れるかは定かではない。「アップルは、中国のような発展途上国にミッドレンジの携帯電話製品を売り込もうとしている。低価格でディスプレイの小さいこの製品に引き付けられる人は確かにいるかもしれない。だがアップルは、消費者にとってアップルはハイエンド製品、さらには自身の高いステイタスの象徴であることを無視している。製品が安くなれば、消費者がアップルを買う理由も変化する」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月21日