中国国家旅遊局が先ごろ発表した「2016年メーデー連休の観光市場情報」によると、期間中は海外旅行の人気が高く、ソウル、バンコク、東京が人気トップ3となった。業界関係者は、中国の旅行会社が海外旅行ツアーへの取り組みを強化していることもアウトバウンド事業成長の主因だと指摘する。
社会科学院が発表した「2015~2016年中国の観光発展についての分析と予測」(通称「観光緑書」)によると、中国の旅行会社はグローバル展開を加速しており、成長分野と地域の拡大が続いている。観光投資については、中国の2015年観光投資実行額は1兆72億元と、前年より42%増加した。
2015年は中国企業による海外M&Aも加速した。海南航空、復星集団、港中旅集団、衆信旅遊などが世界的規模で投資やM&Aを行っているほか、携程旅行や途牛旅遊などのオンライン旅行企業も対象を海外に広げている。例えば、海南航空集団は、オーストラリアのALLCO航空機リース会社、凱撒旅遊、スペインNHホテルなどを傘下に収めた。錦江国際集団は米インターコンチネンタルホテルグループ、仏ルーブル・ホテルズ・グループを買収。万達集団は英国、スペイン、米国、オーストラリアなどで一連のM&Aを完了。復星国際はClub Medの一部権益を買収。港中旅集団は4億ポンドで英ブライトンホテルグループを買収した。
「観光緑書」はまた、2015年は大企業の旅行業への参入が加速したと指摘する。全国ランキング5位にランクインした不動産企業は、観光名所や国家クラスのリゾート地区、高級ホテル、国際ブランドホテル、大型テーマパークなどに投資を進める。ランキング上位10社に入った投資会社のうち8社が観光関連に投資している。エネルギー、水利、家電、農業、保険などの大手企業集団も相次いで観光業に投資している。