首都ソウルで中国人留学生が大学生たちの暮らしを変えたとなれば、その影響は地方都市ではさらに顕著となる。ソウルから地下鉄で1時間ほど走れば、忠清南道牙山市(チュンチョンナムド・アサンシ)に入る。この地の住民である金さんの話によると、中国人留学生が訪れる前は、大学近辺は「意気消沈」し、地域経済も壊滅的な状態となっていた。しかし、中国人留学生がやってくると、まるで活性剤でも打たれたかのように地方経済はみるみる回復し、学生数が増えるに連れて、中国人学生ばかりか韓国人学生も学校周辺の店に戻ってくるようになったという。
地元政府の統計によると、牙山地区の大学周辺の空き部屋率は、2008年には69%に達していたが、地方経済の活性化によって、2015年には30%以下まで下がった。
韓国の大学の窮地
韓国の大学は現在窮地に立たされており、これも留学生を引き付けたい大きな要因となっている。
この窮地の根本的問題は韓国の下がり続ける出生率にある。出生率が下がり続けることで入学者数も減少を続けており、韓国の教育界は大きな危機に直面することになった。