北京市で働く徐虹さんと家族は今年5月中旬にクルーズ船に乗って日本へ旅行した。初めてのクルーズ旅行は彼女の一家には非常に新鮮なものだった。「私たちはまず北京から天津港へ向かい、それから日本行きのクルーズ船に乗った。客船は大きく、全く混雑を感じなかった。娯楽施設も素晴らしく、飲食にも中華や西洋料理などあらゆる味の食べ物が揃って、お年寄りから子供まで楽しめた」と話している。
徐虹さん一家の旅行は、中国でクルーズ旅行が急速に発展していることの縮図に過ぎない。中国が大衆娯楽・旅行時代に入るにつれ、クルーズ船で休暇を過ごすことが流行りの旅行方式の一つとなっている。驢媽媽旅遊網の責任者は、クルーズ旅行が主に家族や友人とのツアーで利用されていると説明。贅沢品の消費とは異なり、クルーズ旅行は基本的に消費者自身のニーズにもとづくもので、利用者の多くは月収が1万元から2万元の中所得世帯になると指摘した。
中国交通運輸協会の「2015中国クルーズ旅行発展リポート」によると、2015年に中国の港湾10カ所がクルーズ船を受け入れ、その数は大連市、天津市、青島、煙台、上海、舟山、厦門、広州、海口、三亜で合わせて延べ629隻と、前年に比べ35%増えた。クルーズ船での出入国者は44%増の延べ248万人で、うちクルーズ船母港で出入国した中国人旅行者は50%増の延べ222万人、クルーズ船で中国を訪れた海外からの旅行者は延べ25万6000人だった。