日本のソフトバンクはこのほど英国の半導体大手ARM社と買収合意を締結した。買収金額は320億ドル(1ドルは105.9円)に達し、買収案件1件あたりの金額としては、ソフトバンクにとって創業以来最大のものになる。新華社が伝えた。ソフトバンクの創業者で最高経営責任者(CEO)の孫正義氏は18日、「ソフトバンクはARM社のことをずっと考えてきた。今回の取引は、ソフトバンクが英国やARMの本社のあるケンブリッジの科学技術面での優位性に大きな信頼感を寄せていることの現れだ」と述べた。
就任したばかりの英国のフィリップ・ハモンド財務相は今回の取引を高く評価し、「アジアの歴史始まって以来の英国に対する最大の投資になる」と述べた。双方の合意を踏まえ、ソフトバンクはARM株を1株17ポンド(1ポンドは約140.0円)ですべて現金で買い取る。
この価格は15日の終値を43%上回るものだ。取引が完了すると、ソフトバンクはこの相当な利益を見込める半導体大手の持ち株会社となり、スマートフォンなどの機器から上がる利益がソフトバンクに流れ込むようになる。米国のアップル社やクアルコム社、韓国のサムスン電子は製品に使用されたARMの集積回路設計に対し、いずれも特許使用料を支払うことになっている。
▽ポンドの時期をみて
ソフトバンクは買収意欲が高いといわれる日本企業の一つだ。アリババ(阿里巴巴)集団の大株主でもあり、2013年には米携帯電話会社スプリントを買収し、株式の70%を取得した。アリババが上場すると、ソフトバンクは巨額の現金資金でスプリントのてこ入れを行い、財務状況の改善に向けてあらゆる手だてを尽くしてきた。ソフトバンクがARMを買収したのは、ポンドの対円レートが大幅に値下がりしている時期だった。