アリババ(阿里巴巴)傘下の阿里研究院がこのほど発表した「2016年中国越境EC発展報告」によると、2015年の越境ECの取引規模は4兆8千億元(約74兆2474億8千万円)に達した。主要20カ国・地域(G20)の中国との越境EC取引の緊密度ランキングでは、上位に米国、英国、オーストラリア、フランスなどが並んだ。
データによると、15年にはグローバル貿易の増加ペースが鈍化し、中国の越境ECの増加ペースも低下したが、越境ECの増加ペースそのものは貨物貿易の増加ペースを引き続き大幅に上回り、中国の輸出入取引におけるECの浸透率も上昇を続けている。20年には中国の越境ECの市場規模は12兆元(約185兆6187億円)に達すると予想される。
アリババグループの高紅氷副社長(阿里研究院院長)は、「越境ECは世界をつなぎ、未来のグローバル貿易の主要な形式になる。越境金融サービス、越境物流サービス、対外貿易総合サービス、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどが、越境ECプラットフォームの周りで急速に発展していくだろう」との見方を示す。
同報告は、中国の越境ECの発展を促す4つのエネルギーとして、技術の進歩、産業の基盤、消費のバージョンアップ、信用保障を挙げる。