横琴新区に登録された珠海アジアチェーンホテル管理有限公司がこのほど、資本金の意向為替決済業務を行った。同公司はこれで、企業運営の過程で、「先に両替し、後に支払う」という原則に基づいて為替決済業務を展開し、人民元のレート上昇による為替損失を回避できるようになる。
同業務は、珠海横琴区内の外資企業が受けられる新たな優遇政策の一つとなる。「広東・香港・マカオ緊密協力模範区」である広州南沙と深セン前海、珠海横琴の3地は徐々に開発を加速しており、金融機構の集積と金融サービスの革新は3地の開発に強力な支えを提供している。
このうち珠海横琴の開発では、これまで4年で域内総生産年平均89.2%の成長を実現し、実質ベースの外資利用額は年平均286.9%で増加した。また2010年8月に国務院が深セン前海の総体計画を認可して以来、前海にはすでに、1万4千社以上の企業が進出している。グローバル500社からは47社が前海に進出し、外資利用額は28.9億ドルにのぼり、深センの外資利用額に占める割合は60%に達している。
横琴新区管理委員会の葉真主任は、「横琴の開発は融資の保障と切り離せない。金融サービス業の発展は、横琴のインフラと一部重点プロジェクトの発展をバックアップする一定の役割を果たしている」と語る。
今年6月末までに、珠海の管轄する銀行の横琴新区に対する融資は累計205億元に達し、融資残高は99億元にのぼっている。記者が工商銀行珠海分行から得た情報によると、横琴区内のプロジェクトに対する累計融資額は工商銀行だけで120億元を超える。工商銀行の融資するプロジェクトには、「珠海長隆国際海洋リゾート」や「珠海十字門CBD(中央業務地区)」、「華融琴海湾」なども含まれている。
全国広東・香港・マカオ緊密協力模範区である横琴は、広東・香港・マカオ金融協力の方面でも積極的な模索を行っている。「このうちマカオの銀行機構の参入条件の引き下げは重大なブレークスルーの一つと言える」と、横琴新区管理委員会財政金融事務局副局長の池騰輝氏は語る。
外資金融機構の横琴への進出にはこれまで、総資産60億ドルという条件を満たす必要があった。だがマカオの金融機構の全体規模は小さく、60億ドルの条件は、広東・マカオの金融協力の規模を大きく制約して来た。各級政府と中国銀行業監督管理委員会はこれに対して積極的な革新を進め、CEPA(経済連携緊密化協定)の第9次補足協定において、広東・マカオの金融協力の重大なブレークスルーを実現した。この補足協定は、マカオの銀行の横琴進出のための総資産の条件を60億ドルから40億ドルに引き下げた。この政策を受け、マカオ資本の銀行が大陸部に初めて進出するという歴史的ブレークスルーが実現された。2014年初め、マカオ国際銀行横琴代表所は開業認可を獲得した。
アナリストによると、横琴における広東・香港・マカオ金融協力はすでに一定の進展を実現したが、依然として巨大な潜在力を保っている。例えばクロスボーダー人民元業務協力では、横琴は、人民元資本項目の両替を可能とする国家の先行・試行地域とされているが、現在のクロスボーダー融資業務は個別案件での展開にとどまっており、金額は低く、期限も短く、コストも高く、横琴の開発建設の資金ニーズを満たすものとはなっていない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月8日