世界銀行のジム・ヨン・キム総裁は3日「貿易を促進させ、インフラ施設と人的資源に対する投資を増加させることで世界経済の急成長を促し、2030年までに極度の貧困を事実上なくす目標を実現させる」と呼びかけました。
キム総裁はこの日、アメリカのブルッキングス研究所で国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会の除幕式に出席し、演説を行いました。その中で「経済成長の減速を背景に、極度の貧困をなくし、平等な発展を促進するという目標は大きな課題に直面している」と述べています。
世界銀行は「投資の低迷や貿易成長の停滞で、今年の世界経済成長率は2.4%にとどまり、サブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南の地域)の経済成長率は1.6%で、人口成長幅の3%を大きく下回っている」と予測しています。
世界銀行がこのほど発表した報告によりますと、現在、極度の貧困人口の半分が自然環境が厳しく、内戦や紛争が頻発しているサブサハラアフリカに生活しています。これらの地域は経済成長と貧困撲滅の厳しい課題に直面しているということです。
キム総裁は「中国の経験を踏まえて考えると、経済の開放を通して貿易の発展を促すことは経済成長の促進につながり、より多くの人々の貧困脱出にも役立つ」と話しました。
なお、IMF・世界銀行2016年年次総会は7日から9日にかけて、ワシントンで行われる予定です。
CRIより 2016年10月4日