人民元は10月1日より、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に正式に採用された。目まぐるしく変動する世界の金融市場と錯綜する国内の金融情勢を背景に、我々は今後どのような姿勢で何を行っていくべきだろうか?
「人民元のSDR構成通貨バスケット入り」は万里長征の第一歩を踏み出したに過ぎない。中国人民銀行(中央銀行)金融研究所の卜永祥副所長は、11日の人民元国際化シンポジウムで、「人民元のSDR入りにより、中国は改革開放の大きな一歩を踏み出すことができる。今後の国際通貨体系が、米ドル、ユーロ、人民元の三者鼎立局面を形成できるかどうかは、中国が長期に渡る安定的な経済成長を維持できるかどうかにかかっている」と述べた。
「人民元のSDR入り」は、過去30年に渡る中国の改革開放政策の成果を評価したものであると同時に、中国の今後の金融改革開放に新たな要求を突き付けるものだ。
人民元が国際準備通貨になれば、中国の通貨・為替政策の「国外流出」が促されるため、中国は政策策定時に国際市場の影響を考慮しなければならない。卜永祥氏は、中国の通貨・為替政策は一層の市場化と、柔軟性、透明性が必要となり、政策策定者と市場の有効な対話が求められることになる」と指摘する。
「通貨取引の自由化」の要求は、中国の資本項目と資本市場の一段の開放を後押しする。卜永祥氏は、「国内の資本市場を海外投資家に徐々に開放するとともに、海外の資本市場を国内の機関投資家、個人投資家に開放する必要がある」と指摘する。