中国政府高官は先ごろ訪れたバングラデシュのダッカで、バングラデシュでの石炭火力発電所2カ所の建設を含む協力協定を発表した。発電所は、バングラデシュ南部パトゥアカリ県パヤラの1320メガワット石炭火力発電所と、港湾都市チッタゴンの1320メガワット火力発電所。
これについてインドメディアは10月23日、中国とバングラデシュのエネルギー協力が、インドとバングラデシュのエネルギー協力を初めて上回った事例になると紹介。≪中国がインドを上回りバングラデシュ最大のエネルギーパートナーになる≫というタイトルの記事によると、バングラデシュは2009年にインドの支援のもと、スンダルバンス保護区近くにあるランパルで石炭火力発電所2基の建設に着手した。ところが、地元住民による大規模な抗議活動を受け、バングラデシュは2基目の石炭火力発電所の建設をあきらめたという。
また、他の協定には、気候変動対策と再生可能エネルギー分野での協力に関する条項もある。バングラデシュBRAC大学のアイヌン・ニシャット名誉教授は、技術レベルが比較的低い石炭火力発電所よりも再生可能エネルギーを選べば、中国が太陽光と風力発電市場で先駆的な地位を築くことにつながるとの見方を示した。