浦東世紀匯広場
李嘉誠氏は1年の期間を経て、上海・浦東に持つ最後の商業プロジェクトを手放した。
長江実業地産有限公司は26日、売り手・買い手としてMapleleaf Developmentsの発行済全株式の売買契約を結んだとする公告を発表した。
長江実業傘下のHPL、chinex、李嘉誠氏の海外投資ファンドの全額出資会社であるChampが、Mapleleaf Developmentsの全株式を保有。後者は、浦東世紀匯広場を持つ和記黄埔地産(上海)陸家嘴有限公司を間接的に保有。浦東世紀匯広場は今回の取引の対象となったプロジェクトであり、取引総額は200億元に上る。
公告は買い手の身分を明らかにしておらず、潤沢な資金を持つ保険会社が、シンガポール上場の不動産ファンド管理会社のARAアセット・マネジメントを通じて買収したと発表した。澎湃新聞の調べによると、買い手は中国人寿の傘下企業。
浦東世紀匯広場は長江実業の陸家嘴における最後のランドマークプロジェクトで、浦東新区濰坊路179号に位置する。李嘉誠氏が率いる「長和系」が2004年に公開市場での競売で落札した。上海で唯一、四本の地下鉄線が交差する商業エリアに位置し、人口密度が高い。その建築面積は約36万平方メートルで、うちオフィスビルは13万平方メートル、売り場面積は14万平方メートル。同プロジェクトはほぼ竣工しており、内装中だ。
長江実業は2015年、同プロジェクトが優れた地理的位置にあるため、保有を続けるとした。ところが李嘉誠氏は1年もたたないうちに、この地理的位置が非常に優れているとされる不動産を手放した。
長江実業は、取締役会はこの取引により得た現金を、グループや不動産の投資に当てられると判断したと発表。
李嘉誠氏は浦東世紀匯広場の売却後、上海で保有する商業物件は南京西路の梅龍鎮広場のみとなる。長江実業は他にも上海で、普陀区真如にある建設中のプロジェクトを保有している。長江実業が中国大陸部で保有する投資目的の物件は、20万平方メートルのみ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年10月27日