米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのリポートによると、2016年7ー9月のグリーンボンド(調達資金の用途を地球温暖化対策などに限定した債券)の発行額は261億米ドルと、四半期ベースで過去最高を更新した。うち、中国の発行量は世界全体の44.2%を占め、世界一だった。
「第3四半期に力強い伸びを示したため、今年1―9月の世界のグリーンボンド発行額は632億米ドルに上った。前年同期を272億米ドル上回り、伸び率は132%に達した」と、ムーディーズのヘンリー・ヒル上級副総裁は指摘。1―9月の発行額は、過去最高となった2015年の年間発行額424億米ドルをも上回ったとしている。
リポートによると、調達資金の使い道は再生可能エネルギーや省エネプロジェクトが依然として多いものの、第3四半期はこれらのプロジェクトへの資金配分比率は50%以下に低下した。一方で、排ガス規制などのクリーン交通、廃棄物管理、水処理プロジェクトなどへの配分比率が小幅に拡大したため、当期の調達資金の用途は大きく広がったという。
中国系銀行が大規模に発行したため、中国の第3四半期グリーンボンド発行量は世界の44.2%を占めた。中国の金融機関の発行推進を受け、今年の世界グリーンボンド発行額は800億米ドルを突破する可能性があり、成長規模はここ9年間の累計に匹敵する見込みだという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月26日