天猫は3年前からすでにマス・カスタマイゼーション(コンピュータを利用した個別大量生産)を模索し始めている。アリババの大量のデータから消費者の需要を掘り起し、企業に主体的にユーザー目線で開発を進めさせる。顧客を無視した自分勝手な開発を回避するとともに、一手販売のスタイルでコストを引下げ、在庫を抑え、発売を加速する。これにより、消費者はコストパフォーマンスの高い良質な製品を手に入れることができる。
特注製品への人気もブランド企業の大きな後押しとなる。ジューサー大手の韓国恵人原汁機は昨年の「ダブル11」に、天猫向け特注モデルを発表。1日あたりの売上高は1億元の大台を突破し、韓国ブランドでは首位となった。国産ブランドでは、栄泰(RONGTAI)の宇宙船全自動マッサージ機が9999元と高額にもかかわらず、1日で236台を販売する人気商品となった。
アリババの曾鳴チーフ戦略担当によると、C2B(消費者から企業へ販売する取引関係)は、ユーザーの需要を通じて供給チェーン全体の各部分に素早く対応ができる。今後はフレキシブルな生産システムにより多くの供給チェーンがつながり、C2Bのエネルギーは徐々に川上に向かう。アパレルを例にとれば、最終的には綿花生産まで遡ることになる。