商務部の沈丹陽報道官は10日、人民元レートの基本的安定を維持することは貿易の発展を促進することにプラスになると述べた。中国政府は通貨の下落によって輸出を増やす意思はないという。
税関統計によると、今年1~10月までの全国の輸出入額は19億5600万元と、前年同期比1.9%減少した。うち輸出は11億2200万元と2.0%減、輸入は8億3300万元と1.8%減だった。
また今年8月以降、人民元の対ドルレートが一貫して下落。これに関してメディアの一部で「元安による輸出けん引効果が薄れてきているのではないか」との観測流れていることについて、同報道官は「レートの上下は輸出の決定的要素ではない。人民元レートは中国の貿易に影響を与える主たる要因ではない。人民元レート改革が進むにつれ、レートの上下変動は一段と拡大している。市場はレート形成メカニズムにおいて一段と役割を発揮している」と述べた。
「レート変化による貿易の増加は諸刃の剣である。世界経済の回復力が乏しく、金融政策環境が日増しに複雑になる中、人民元レートの基本的安定を維持することは貿易の発展を促進することにプラスになる。中国政府には元安によって輸出を増やす考えはない」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月15日