日本の財務省は先月、現行の特恵関税制度の見直しを打ち出し、中国など5カ国が日本に輸出する製品について、2019年から特恵関税を供与しない方針を打ち出した。
またEUの欧州委員会が先月、欧州議会と欧州理事会に反ダンピング法律制度の改定の提案を行ったのは、中国製品に対する関税引き上げがねらいだ。
欧州委員会は改定案の提案を可決し、「非市場経済国」と「市場経済国」という分類をやめ、「国別に中立をはかる」やり方を採用し、国内での価格やコストに「市場を歪曲するような状況」があるかどうかの調査に重点を置くとした。その「状況」とは、具体的に政府による干渉の有無などを指す。ある国の輸出製品価格に「市場を歪曲するような状況」があると認定されれば、「輸出国と同様の経済発展水準にある適切な代表的国家」のデータを当該国の国内価格に置き換え、ダンピング幅を計算するという。
欧州委員会は「市場を歪曲する」と認定する一連の要因を列挙し、これには関連市場が国有企業や国が株式を保有する企業によって極めて大規模に構成されているかどうか、国が「価格またはコストに関与した」状況があるかどうか、こうした状況によって国内の生産者が海外の同業者に比べて不公平な優位性をもつようになる政策があるかどうかなどが含まれる。