米国とEUによる対中反ダンピング調査「代替国」基準について、中国は12日に世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続を開始した。中国商務部の報道官が、本件について談話を発表した。
「中国の世界貿易機関(WTO)加盟議定書」第15条は、その他のWTO加盟国が対中反ダンピング調査で「代替国」基準を適用することを認めているが、中国のWTO加盟15年後、すなわち2016年12月11日には終了すると明記している。
中国商務部の報道官は「15年の期限が訪れ、その他のWTO加盟国は同基準の適用を即刻停止しなければならない。これはWTO加盟国が履行すべき国際的な義務だ」と表明した。
「中国はこれまで多国間・二国間の場において、関連するWTO加盟国と真剣に意思疎通し、善意で義務を履行し、期限通りに同基準の適用を終了するよう促してきた。しかし遺憾ながら、米国とEUは現在も義務を履行していない」
米国とEUは対中反ダンピング調査を最も多く行っているWTO加盟国だ。調査機関が「代替国」基準を適用することで、意図的に中国企業に対する反ダンピング関税を引き上げ、中国の関連業界の輸出と就業に深刻な影響を及ぼしている。
報道官は「WTO訴訟は加盟国が規則を基礎とし、貿易紛争を解決する通常の手法だ。中国がWTO訴訟を申し立てたのは、自国の合法的な権益と国際貿易ルールの権威を守るためであり、合理的かつ合法的だ。中国側は同第15条の規定に従い、期限通りに同基準の適用を停止していないWTO加盟国に対して、義務を即刻履行するよう再度求める。同時に中国はWTOの規則に基づく権利を保留し、自国の合法的な権益を断固たる姿勢で守る」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月13日