中国共産党中央政治局は9日の会議で、2017年の経済活動について分析・検討を行った。会議は、中国が2016年に「十三五」計画(第13次5カ年計画、2016~20年)の良好なスタートを実現したとの認識を示した。2017年は中国共産党第19回全国代表大会を開催し、「十三五」計画を実施する重要な1年でもある。また供給側の構造改革推進の深化の年でもあり、経済活動を順調に運営していくうえで重大な意義があると指摘。会議で示された文書の行間からは2017年の中国経済発展に向けた6つの重要なシグナルが発信されている。
シグナル1:「穏中求進」の基本方針が中国の国家統治の重要原則に
会議は、「『穏中求進』(安定の中で進展を求める)という基調方針が中国の国家統治の重要原則であり、来年の経済活動の指針を示すうえで重要な意義がある」と強調。社会の安定を維持したうえで、重要分野でブレークスルーを実現する必要があるとしている。
国務院発展研究センター、張立群・研究員のコメント:「穏中求進」という基調方針が、経済分野から国家統治の重要原則という高いポジションに据えられた。これは経済、政治、社会、生態環境の各分野の発展の特徴を深く認識したうえで、国の全ての活動をカバーする基本原則として提起されたということだ。
シグナル2:供給側の構造改革が「深化の年」に
供給側の構造改革は、中国の経済活動の主要方針だ。会議では、2017年は供給側の構造改革推進の「深化の年」だと明らかにされた。
中国社会科学院学部委員、国家金融発展実験室、李揚・理事長のコメント:2016年は供給側の構造改革にとって難題に挑む開戦の年だった。改革は一定の成果が見えたが、決して1日で成功できるものではない。改革を推進するのは難しく、短期で成果を上げるのは難しい。長期で粘り強く戦略的に取り組む必要がある。