インドネシアのジャカルタで5日間にわたり開かれた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)第16回交渉会合が12月9日に閉幕した。16カ国の代表者が中小企業をめぐる段階的交渉を終えた。RCEP交渉の開始後、すでに経済技術協力に関する交渉がまとめられており、今回は第2段階の交渉となった。また、政策競争に関する協議も大きく進展し、貨物貿易、サービス貿易、投資、知的財産権、技術労働者の自由流動などその他テーマについては話し合いが続いている。今回の交渉の成果は地域経済、ひいては世界経済の一体化に新たな貢献を果たす見通しで、アジア太平洋地域の自由貿易協議が停滞に陥っているとの西側諸国による非難と指摘に反論するかたちとなった。
ASEAN10カ国が発起し、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドを招いて進められているRCEP交渉は、現代的、全面的、ハイクオリティ、互恵の特長を持つ地域自由貿易協定を締結することで、東アジア地域協力「グレードアップバージョン」を打ち立て、関税の引き下げや、安全基準、環境保護基準、通関基準など非関税障壁の撤廃を目指している。
また、内容としても環境保護、知的財産権、労働者保護、ネットワークセキュリティなど地域共通の課題をカバーしている。専門家の試算によると、RCEP交渉が順調にまとまれば、関税と非関税障壁の解消によってアジア太平洋地域の国内総生産(GDP)は2.1%、世界GDPを1.4%押し上げる見込み。参加国の世論では、RCEPが地域国民の生活水準向上、経済成長の促進に重要な意義を持ち、地域経済一体化の重要な手段として、経済のバランスある発展の促進と各国間の経済・社会連携の強化につながるとみられている。