2016年は世界経済が振るわないなか、中国経済の異例とも言える好調ぶりが光った。2016年は中国にとって小康社会の全面的建設に向けた重要なスタートの年であり、供給側構造改革の難題に挑む年でもあった。経済運営は合理的範囲を維持し、「十三五」計画(第13次5カ年計画、2016~20年)の良好なスタートを実現、経済発展には多くの注目すべき点があった。
(1)経済成長:国内総生産(GDP)4倍化目標を前倒しで実現
2016年の中国経済は安定的に推移し、年間のGDP成長率は当初の目標通りの6.7%前後となる見通しだ。2016年のGDP総額は2000年の約4.22倍となる見通しで、第16回党大会で提起した「2020年までにGDP総額を2000年比で4倍にする」という目標を4年間前倒しで実現した。これは中国経済で今年最大の注目すべき点だ。
(2)経済構造の高度化:ポスト工業化時代への移行
2016年は中国の経済構造が一段と高度化した。「十二五」計画(第12次5カ年計画、2011~15年)期間に、中国のサービス業は大きく発展した。2015年に、GDPに占めるサービス業の付加価値は50.5%に達し、初めて5割を超えた。2016年1-9月には、この比率は52.8%に上昇。経済成長への寄与率は2015年の54.1%から58.5%に上昇し、中華人民共和国建国以来の最高水準を更新した。中国経済は工業主導型からサービス業主導型、すなわちポスト工業化時代への重大な転換期に入った。