(3)消費:中国の市場規模は世界2位
2016年は消費が中国の経済成長の最大の原動力となった。2010年以降、中国の最終消費支出がGDPに占める割合は持続的に上昇し、2015年には52.4%となった。2016年1-9月のGDP最終消費支出割合は55%前後まで上昇。GDP成長への寄与率は2015年の66.4%から71%まで急上昇した。2016年は、中国の消費財の市場規模は世界2位、最終消費支出が世界全体の消費に占める割合は8%を越え、米国との差は顕著に縮小した。消費は中国経済のバラストとなり、経済成長のけん引効果は一段と大きくなった。中国経済の成長モデルはすでに、投資主導型から消費主導型に転換したと言える。
(4)ニューエコノミー:世界最大のデジタル大国
2016年は中国のニューエコノミー、新業態が急速に発展した。モバイルを含むネットユーザーの規模から見ても、中国は世界のデジタル大国となっており、デジタルビジネスで巨額の収益を上げている。デジタル経済は企業をつなぎ、生産効率の向上、最終消費のけん引、貿易範囲の拡大を促した。2016年1-9月は、中国のネット通販売上額は前年同期比25.1%増加。増加率は社会消費財売上額を14.7ポイント上回り、国内消費の起爆剤となった。
(5)イノベーション:世界最大の特許取得国
2016年は中国の知的財産の創出が急増した。中国の発明特許申請件数と取得件数は2015年に世界一に躍進。2016年1-7月に中国の特許取得件数は前年同期比で49.5%増加、年間では50万件を突破する見通しとなった。特許取得件数が1年で50万件を突破する国は中国が初めてだ。