自由貿易試験区(計7区)の新設の準備が整っている。経済参考報の調べによると、第3期自由貿易試験区の全体計画が間もなく発表され、早ければ来年1月に統一的に設立される。これにより中国の自由貿易試験区は段階的な発展の新構造を形成し、「3.0時代」に突入する。内陸部の開放の新ルートの模索が、自由貿易試験区の新たな任務になる。
遼寧省、浙江省、河南省、湖北省、重慶市、四川省、陝西省が今年8月、第3期自由貿易区の設立を認められた。うち浙江省舟山市は大口商品自由貿易区、河南省鄭州市は国際物流分配センターとして位置づけられる。湖北省は中部地区の台頭と長江経済ベルトを連結させる戦略を重視し、四川省と陝西省は西部の窓口となる都市の開発強化を重視し、内陸部開放の新たな要衝を建設する。遼寧省は東北地区旧工業地帯の対外開放の新たなエンジンを作り、東北地区全体の競争力を高める。
間もなく設立される第3期自由貿易試験区が、沿岸部に分布する1−2期と最も異なっているのは、内陸部を網羅する点だ。そのため内陸部の開放の新ルートの模索が、その特別な使命となる。また「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)や長江経済ベルトなどの国家戦略とより良く連結するため、より広い範囲内での経験の複製・普及も、第3期の試行内容になる。また7つの自由貿易区の具体的な位置づけにも差と特色がある。
例えば湖北自由貿易区計画の全体的な位置づけはこうだ。産業移転を秩序正しく受け入れ、一連の戦略的新興産業・ハイテク産業拠点を建設し、湖北省の中部台頭戦略の実施と長江経済ベルトの建設推進における模範的な力を発揮し、貿易便利化、投資自由化、監督管理の法治化を実現し、世界一流のビジネス環境を構築する。
浙江舟山自由貿易区の中心的な取組内容は、大口商品の貿易自由化で、戦略的目標は大口商品の世界分配能力の強化だ。最終的に中国の世界大口商品貿易における発言権を高める。短期目標は、大口商品スポット取引の積極的な推進で、次に中長期スポット取引の発展に取り組み、最終的に先物取引への発展に取り組む。
中国商務部研究院国際市場研究所副所長の白明氏は、経済参考報の記者に対して「正式な設立後、中国は来年11の自由貿易試験区による新構造を形成する。11区は新分野での先行・試行の任務を担う。自由貿易試験区の戦略的重心も、より広い範囲での普及と複製に転じるだろう」と述べた。
「自由貿易試験区と開放型経済新体制の試行の他に、クロスボーダーEC、サービス貿易の革新、サービス業の開放、市場調達、税関・通関一体化、単一窓口などさまざまな開放の内容も、試行という形式で推進される。外部の開放から見ると、一帯一路および中国の自由貿易戦略などの推進が加速される。全体的に見て、中国の開放型経済は来年、新たな発展段階に入る。点と面を結び合わせた開放の波が、次の開放のボーナスを集中的に引き出すことになる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月15日