著名な企業家である曹徳旺氏はかつて、中国製造業のコスト問題で論陣を張り、様々な評論や文章がSNSを通じて広まったことがある。王石氏はこの日、曹氏と中国製造業のモデルチェンジとバージョンアップについて最近話をしたことを明かした。王石氏は、「曹徳旺氏は、いま誰もがインダストリー4.0を話題にし、ドイツを目標にしている。工業の完全自動化の実現を期待していると言った。しかし実際の生産経験から曹徳旺氏は、製造業で完全にロボットによる自動化ができるようになるまで200年はかかるだろうと考えている。そして中国製造業の当面の急務は、日本の製造業から学ぶことだ。それは品質やコストのコントロール面の経験だ」と曹氏の意見を紹介した上で、「トヨタを代表とする日本の製造業は、人力と機械の自動化が完全に融合したものであり、人間の役割を最大限に発揮させている」と述べる。
この日行われた「中国企業の国際的リーダーシップ」と題した中国国際商業会議所の年度会議では、王石氏を含む数多くの著名企業家が講演を行った。王石氏は、中国企業が国際化の歩みを速めるため、際立った製品の品質と環境や自然へのさらなる配慮を、国際市場で生き抜くための「言語」にすべきだと主張した。「今後の国際競争はより一層、品質をめぐる競争になっていくだろう」。王石氏は不動産業を例にしながら、品質追求の面から見ればこの業界の競争は始まったばかりだとした上で、このことも中国企業が世界市場競争に深く参与するときの前提になるとの見方を示す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月24日