人民元のグローバル化は前進し続けている。王氏は、「海外の一部の市場では最近、人民元のグローバル化は停滞していると囁かれている。人民元安となり、資本が流出しているため、中国の人民元のグローバル化における努力は挫折を経験しているというのだ。しかし、英国市場の統計を見ると、このような見方は明らかに偏っていることが分かる。そのため、もっと広い側面から見なければならない」と指摘する。
今年、中国では銀行間債権市場の開放が加速し、パンダ債(非居住者が発行体となって人民元建てで発行する債券)が急速に増加し、香港取引所と深セン証券取引所による株式相互取引「深港通」が開始した。また、人民元建てで直接取引される貨幣は10種類から21種類に大幅に増加した。さらに、米国やロシア、アラブ首長国連邦などが相次いで、人民元決済銀行の指名を行い、人民元建てで通貨のスワップ取引ができる国や地域が36へと増加した。その他、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨となり、さらに多くの国が人民元を準備通貨にするようになっている。業務の側面が反映している人民元のグローバル化の速度鈍化は、人民元が対米ドルで下落しているのが主な原因で、クロスボーダー貨物貿易における人民元決済の規模や割合が縮小しているからだ。中・長期的に見ると、人民元安が続く材料はなく、人民元のグローバル化は、実体経済の需要や中国対外開放の大局、国際通貨体系改革の需要などから、前進し続けると見られる。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年12月27日