中国財政部は23日、2016年の中国財政収支を発表した。日本の一般会計に相当する一般公共予算ベースの財政収入は、前年比4.5%増の15兆9552億元。うち、中央政府の財政収入は4.7%増の7兆2357億元、地方政府は4.2%増の8兆7195億元だった。一般公共予算の財政収入のうち税収は4.3%増の13兆354億元、税外収入は5%増の2兆9198億元だった。
財政部関係者は、2016年も中国財政収入の伸び鈍化が続いたとし、その主因を次のように分析した。
(1)政策的な税収減が多かった。2016年は「営改増」(営業税から増値税への切り換え)が全面的に推進され、税収減は近年で最大規模となった。同時に企業からの行政手数料徴収を見直し、免税範囲を拡大したことも減収につながった。
(2)景気の伸び鈍化の影響が遅れて表れた。2016年は2015年と比べ、一定規模以上の工業企業の利益、一般貿易輸入額、生産者物価指数(PPI)などの指標がやや改善したものの、社会全体の固定資産投資、一定規模以上の工業企業の付加価値などの伸びが鈍化し、財政収入の伸び悩みにつながった。