これと同時に、日本との協力を通じてロシアのアジア太平洋地域への発展を促進することが可能だ。ロシアのプーチン大統領は2012年の再任後、一貫して「東方戦略」を重視してきた。新たな外交政策構想においても、アジア太平洋はかなり重要な戦略的位置を占めている。ロシアはアジア太平洋経済一体化に積極的に関与するとともに、これをシベリア地域および極東地位の経済発展と結びつけ、協力してアジア太平洋地域に安全保障と協力の発展の枠組みを構築しようとしている。劉センター長は、「西側諸国の制裁措置に直面して、ロシアは囲みを突破しなければならず、アジア太平洋圏に進出することが経済、科学技術、人材、市場を獲得し、経済のモデル転換や発展を促進する上での最良の選択になる。ロシアにとって、特にシベリア地域にとって、日本は太平洋方向に発展していくための重要な踏切板だ。日本が東シベリア地域の石油・天然ガス資源の開発に関与すれば、ロシアとアジア太平洋地域との経済協力は遠からず実現することになる」と指摘した。
現在、ロシアのアジア太平洋諸国との貿易額は貿易総額の28%前後を占め、ロシア経済発展省は今後この数値を40%に引き上げたいとしている。
客観的な条件をみると、西シベリア地域が主に欧州に石油・天然ガス資源を送り出すのに対し、東シベリア地域は深い永久凍土層があり、凍結期が長いという制約があり、石油の確認埋蔵量は少なく、地中に眠る資源を可採埋蔵量にすることが問題になり、多国間協力による採掘が重要な開発ルートになる。
また市場の相互開放は日本とロシアがともに求めるところだ。プーチン大統領は以前、「ロシアは極東地域で日本の進んだ技術を導入すると同時に、日本がロシアの肉類製品に市場を開放することを願う」と述べている。