▽思い通りにはいくことは非常に難しい
劉センター長は、「現在の状況から考えて、日ロ両国の協力はまだ少なく、大規模な協力やメカニズム化された協力が不足している。そこで戦略的でメカニズム化された協力のプラットフォームを構築することができれば、双方にとっていずれもプラスになる。ただ誠意だけでは不十分であることはしっかり見据えなくてはならない」と述べた。
14年のウクライナ危機発生後、西側諸国のロシアに対する制裁が日ロ協力の間に横たわる障害となっている。
劉センター長によると、「米国をはじめとする西側諸国の対ロシア経済制裁はロシアの投資、貿易、人的往来を非常に大きく制約する。制裁は主要7カ国・地域(G7)の枠組み内で行われているため、ロシアと日本や欧州などとの協力はいずれも大きな影響を受ける。米日共同のアジア太平洋の安全保障体制の下、日本が単独でロシアと協力することを、米国は看過しない。特に米国がロシアに制裁を加える中、日本が自らほころびを作り出す行為を米国は容認しない」という。
国際的な制約だけでなく、安倍首相は日本国内の「(北方)領土問題は今だに帰属をめぐって争っている」という疑問の声にも向き合わなければならない。この問題が存在する限り、日ロ関係の飛躍的な発展は望めない。
劉センター長は、「協力の意志や潜在力はあるものの、日ロ間には協力を制約する要因がさまざまにあり、米国、欧州、中国との関係でバランスを保ちつつ、朝鮮半島やアジア太平洋地域の政治問題や安全保障問題にも目配りしなければならない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年1月23日