中国海関総署(税関)の最新統計によると、中国の1月の輸出入総額は2兆元を超え、前年同期に比べ19.6%増加した。単月の増加率としてはここ数年で最も高く、市場関係者からは「爆発的増加」との声も上がっている。うち輸出は前年同期比15.9%増の1兆2700億元、輸出は25.2%増の9111億7000万元。
貿易の「好調な滑り出し」には外需の改善が寄与した。
中国商務部研究院国際市場研究所の白明副所長は、『中新社』の記者による取材に対し、1月から韓国やベトナムなどの輸出がいずれも高い伸びを示したことから、最近の国際市場が全体的に回復しているとの見解を示した。
これには先進国の経済状況が次第に好転していることが関係している。EU経済は着実に回復しており、2016年のGDP成長率は1.7%と、2008年の金融危機以降では初めて米国を超えた。その米国経済も上向いている。
方正証券の任沢平チーフエコノミストは、外需の回復以外に、比較対象となる前年の水準が低かったことも貿易統計が想定を上回った要因の一つと分析。政府統計によれば、中国の2016年1月の輸出入総額は9.8%減で、輸出と輸入の減少率は2ケタに達していた。また、中国の国内経済が落ち着いてきていることも貿易の伸びにつながった。
ただ、懸念が完全に払しょくされたわけではない。世界経済の回復は依然としておぼつか無く、外需の強さが続くか否かは見守る必要がある。
世界銀行は、2017年の世界経済がわずかに好転すると予測しているが、アナリストは、米トランプ政権の経済政策が不透明な上、EU各国が今年は大きな選択を迫られる見通しで、主要国の政策の不確実性が世界経済の成長に影を落とすとの見方を示した。