今世紀初めに中国では、インターネット上でSFコミュニティが爆発的に発展しはじめ、こうしたコミュニティを通じて作家は読者とのオンライン交流や作品連載が可能となり、非常に多くのフィードバックを得られるようになった。百度貼吧などのソーシャルネットワーク拠点や芸術・文化に注目した豆瓣網、大学のBBS上で、オンラインコミュニケーションとして盛り上がった。突然、誰でも作家になれ、その初稿にもリアルタイムで大きな反応があった。
インターネットは、中国のSF作家の創作方法を変えただけでなく、作品の内容も変えた。以前は『科幻世界』などの専門誌が代表的な外国作品を翻訳版を掲載していたが、インターネットの発展に伴い、作家たちは突如としてリアルタイムで様々な外国SF作品を読めるようになった。
『三体』シリーズ第2部作の英訳を手がけた周華(ジョージ・マーティンソン)氏は、「多くの声があるということは、様々な見方があるわけで、斬新で面白い物語が生まれるだろう」と話す。特に「新ブーム」SF小説は、創造的な文体やあらすじのなかに、科学技術やいわゆる「ハードSF」の面影がみられない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月28日