国営エネルギー大手の中国石油化工集団公司は全中国で、一滴の原油も見つからなかった油井を数百カ所確認している。「黒い金」は見つからなかったが、1マイル弱の深さもある油井は現地の住宅にクリーンエネルギーを提供している。中国の電力の3分の2は石炭火力発電によって賄われているが、人口が40万人に達する河北省雄県では、ほぼすべての住宅がこの深さ1500メートルの油井で暖房を供給されている。AFP通信が26日に伝えた。
現地の新築マンション内で、李福増さん(60歳、音訳)は孫娘が屋外の寒さにも関わらず、裸足で駆け回っているのを見ていた。李さんは「この床暖房の効果は魔法のようだ」と話す。室内の気温は、28度に達していた。
専門家によると、中国の多くの地熱資源が未開発で、エネルギー消費量に占める割合は0.5%未満となっている。
中国石油化工集団公司によると、雄県は中国で広く使われている石炭燃焼暖房供給システムを淘汰し、中国初の「無煙都市」になっている。太陽光や風力と比べると地熱エネルギーは割高だが、同社は2020年までにこの「無煙都市」を20に増やす計画を立てている。これは中国の大気汚染の大幅な改善と、クリーンエネルギー発展の目標と一致している。地熱資源を現在の10倍にし、地熱発電設備容量を530MWに拡大し、地熱暖房供給面積を現在の3倍にするという目標がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月5日