中国の張高麗・国務院副総理は25日、ボアオ・アジアフォーラム2017年年次総会の開幕式で基調演説し、共に手を携えて経済のグローバル化と自由貿易を推進し、アジアと世界のために美しい未来を切り拓くという強いシグナルを発信した。
■世界の流れ:自由貿易の流れを止めてはならない
シンガポールのゴー・チョクトン名誉上級相は、「グローバル化のプロセスでは全員が勝者であって敗者はいない。事実、誰もがグローバル化の恩恵に与っており、ただ、恩恵の程度が異なるだけだ」と指摘。「敗者」とは、いわゆる恩恵に与るのが相対的にやや遅れただけだと述べた。その上で、「足元ではグローバル化のネガティブな面を捉え、脱グローバル化や反グローバル化を進めるの動きが広がっているが、私はグローバル化が止められることはあり得ないと考えている」と語った。
中国は経済のグローバル化がもたらすあらゆる機会を存分に活かし、力を合わせてあらゆる試練に向き合うことで、グローバル化を良い方向へと導いた。
中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は、「如何にして経済のグローバル化を一段と進展させるか、中国は自らの答えを出している」と指摘。「より包容的かつ開放的な精神をもって市場を開放し、経済モデルの転換の推進と構造性改革の深化を図ることで、中国はより開放的な経済体になり、世界の経済成長を支える重要な原動力になる」と述べた。
■アジアの経験:経済のグローバル化を擁護
英国のEU離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉問題など、世界で脱グローバル化の動きが相次ぐなか、グローバル化は正念場を迎えている。こうしたなか、アジアはもう一度、グローバル化を擁護するという方針をしっかりと選択し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の構築と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を積極的に推進している。
中国国際経済交流センターのチーフリサーチャー、張燕生氏は、「東アジア地域の包括的経済連携(RCEP)最大の特徴は開放的な地域主義であり、米国の参加を排除もしなければ、欧州の参加も排除しない点だ。この点からも、アジアの地域開放という揺るぎない方針が伺える」と述べた。
■中国の自信:連動的に新原動力の注入を実現へ
中国の経済成長は「新常態」に入り、その成長率、発展方法、経済構造、成長の原動力のいずれにも大きな変化が生じているが、中国経済は長期的に上向いており、ファンダメンタルズ的に変化はみられない。
今年1-2月の一定規模以上の企業を対象とした工業生産(付加価値ベース)は6.3%増、サービス産業の労働生産性指数は8.2%増、輸出入総額は前年同期比20.6%増に上り、緩やかな回復基調にある世界経済に自信と活力を注ぎ込んでいる。
安定的で健全な経済発展の続く中国はまさに、不確実な状況が続く世界経済により多くの確実性をもたらしており、不安定な世界により多くの安定性をもたらしている。
中国は、世界と共に発展するという素晴らしい希望を抱いて、新シルクロード経済圏構想「一帯一路」を提唱。それから3年あまりで、100以上の国と国際機関が積極的支持を表明、40以上の国と地域と提携に関する覚書を交わすに至った。5月には北京で「一帯一路」構想に関する国際協力ハイレベルフォーラムを開催する予定で、参加国とともに活動推進に向けたプラットフォームづくりなどを進める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月28日