トランプ米大統領は火曜日、「エネルギー自立」大統領令に署名し、「クリーン・パワー・プラン」を含むオバマ時代の計画と法令を一時停止し、化石燃料の米国経済における役割を再び強化するとした。これは米国の地球温暖化対策に向けた「パリ協定」離脱の予兆とされている。
中米両国首脳は2014年末に気候変動対策で合意し、翌年のパリ協定の署名に向け基礎を築いた。中米は世界1・2位のCO2排出国であり、中国はGDP当たりエネルギー消費量、化石燃料の使用を減らすため全力を尽くしている。米国が逆行すれば、世界のパリ協定履行の意志をくじくことになる。
中国は依然として中高速発展期にあり、国家の工業化の任務を終えておらず、全国のインフラもまだ完全に整備されていない。しかし中国は道義上後へは引けなくなり、パリ協定を推進する最前線に立っている。我々は人類共同の家を守る責任を勇敢に担い、自ら国民経済の発展と排出削減の調整を行い、重要な指標を約束した。中国はその他の発展途上国と比較せず、最大の努力を尽くしている。
米国は世界で最も先進的な国であり、これまで放出してきた温室効果ガスは最大だ。排出への今後の依存は、発展途上国を大きく下回る。米国には人類の気候変動対策の模範となる義務がある。しかしトランプ政権はパリ協定に逆行する行動を選ぶ、世界初の大国になった。米国は人類の地球保護という壮大な事業にケチをつけており、呆れるほどの無責任ぶりだ。
大自然を前にし、人類は紛れもなく真の運命共同体である。温暖化による壊滅的な結果は米国にも及び、ハリウッド映画に出てくるような気象災害の中で、米国も難を逃れられない。
米国は強く、自分勝手になっている。世界の世論は、為す術を失った印象だ。中国もしくはロシアがパリ協定から離脱すると脅迫すれば、世論から耐え難い圧力がかかるだろう。西側メディアもトランプ大統領の決定を批判してはいるが、後者は恐れていないようだ。一部の西側メディアは同時に中国に目を向け、中国が今後の温暖化対策でリーダーシップを発揮し、米国の離脱による穴を埋めることに期待している。
しかし中国がどれほど努力しても、米国の穴を埋めることはできない。中国は世界最大の発展途上国だという現実を、短期間内に変えることはできない。自国がまだ発展していないのに、発展の可能性を自らつぶし、すでに豊かな西側の大国を潤すことができようか。
西側世論は気候問題でトランプ政権への強い圧力を維持するべきで、勝手な真似をさせてはならない。米国の自己中心的な政治を道義とし、この世界で売り出すことはできない。米国の世論は新政権のイスラム教国からの入国禁止令を解除させられた。この意欲があれば、トランプ政権はパリ協定離脱の一歩を踏み出せないかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年3月30日