閉幕したばかりの博鰲(ボアオ)・アジアフォーラム2017年年次総会において、「一帯一路」の議論はホットな焦点となった。中国民間企業の代表たちも空前の情熱をもって「一帯一路」沿線市場の配置を加速させている。
去年から中国企業の「一帯一路」沿線国家への本格的な投資が始まった。その直接投資は145億ドルに達し、すでに沿線20カ国以上の国に56の経済貿易協力区を建設した。累計投資は185億ドル以上、さらに当該国に11億ドルの税収増加と18万人の雇用機会をもたらした。また幾つかの重要な基礎施設プロジェクトについては現在、順調に建設しているところである。
中でも「中国製造業」、「中国サービス業」の領域において、民間企業がその存在を大きくクローズアップさせており、多くの沿線各国から歓迎されている。早くから海をわたって投資を続けてきた中国民間企業家にとってみると、「一帯一路」は国際化の道への新しいチャンスを造ってくれたものと言える。TCL集団股份有限公司社長の李東生氏は、「『一帯一路』構想は欧米市場を堅固なものにするだけでなく、新しい市場を開拓する上でも、その基礎となるものだ」と述べている。
2017年、TCLはパキスタンで製造業の基地を建設しており、同時にインドでも業務機構の建設を計画している。今年2月、TCL通迅と世界第4位の携帯電話通信会社インドのReliance Jio (リライアンス・ジオ・インフォコム)は提携関係を結んだ。「一帯一路」は新市場の開拓に大きく寄与している。2016年、TCLの電気製品の全世界売上量は2000万個を超え、世界第三位、国内第一の座を確保している。
同様に国際市場とその需要拡大から利益を得て、最近中国での生産量が最大になった太陽光発電会社の晶科能源(晶科能源控股有限公司)の銭晶副総裁は、「一帯一路」の提唱に対して我々企業はとっくに配置していると述べている。
この会社のマレーシア工場はすでに太陽光発電事業の最大規模の海外投資となった。この他、今年世界最大の太陽光発電の投資プロジェクトであるアブジャビ大型発電所プロジェクトをも落札している。「一帯一路」沿線国の発電所プロジェクトの備蓄はすでに1GW(ギガワット)を超えた。
天合光能有限会社社長・首席執行官である高紀凡氏は、ボアオ)・アジアフォーラム2017年年次総会分科会において次のように指摘している、「一帯一路」は全世界共通の「共に創造し」「共に享受し」「共に勝利する」戦略である。当今のエネルギー大変革の時代に、中国の低炭素改革方案を全世界で実行し、「一帯一路」沿線国家のエネルギー利用体系建設に資する国際的発展を実現すべきだ。
民間企業が「一帯一路」の展望をさらに展開させることに対して、銭晶氏は、「企業は『一帯一路』の有利な政策の下、海外進出のリスクをも把握する必要がある。企業はこれからのグローバル化の特徴・リスク・チャンスをよく分析し、深く認識しなければならない。こうすることによってこそ、この新しい変化をよりよく活用できる」と述べ、さらに金融については、「銀行は海外の企業を補助し、企業の現地における投資を支援し、競争力のある融資コストを提供すべきである」と呼びかけた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月30日