次に日本人が求めるのは「安定」だ。
安定とはもちろん「終身雇用」のことだ。一般的にいって、何か特別の理由がない限り、日本のサラリーマンは1つの企業で職業生活を終えるのであり、給料や報酬や昇進は一般的に先に来た者が先、後に来た者が後だ。日本人がよく口にする「人生設計」はこのような年功序列の企業文化の上に構築される。
日本文化における「人生設計」は非常に具体的だ。どのような会社に入り、「年功序列」のペースに従って進み、どれくらいの年齢でどれくらいの給料がもらえ、いつ頃結婚し、いつ頃家を買い、いつ頃子供をもてるか、子供はどのランクの学校に行くか、退職後にいくら年金をもらえるか、どれくらいの頻度でどの国に旅行するかなど、内容は非常に細かい。
中国人は日本人のこうした「1ヶ所で終わる」職業傾向を理解できないことが多い。日本人には開拓の精神がないのだろうか。確かに、他の文化の人生観で日本人の「人生設計」をながめると、無味乾燥のつまらない人生のようにみえる。「開拓」ではなく「安定」を奨励する考え方は、現在の日本社会では主流を占める。メディアで時々創造開拓を奨励するとの文言をみかけるが、多くの人々は安定と安全の追求を生活信条としている。