中国のA株市場で連日の急騰に沸いた河北省の新開発エリア、「雄安新区」関連銘柄の一角が利益確定売りに押されるなか、今度は広東省・香港・マカオを一体化する経済圏構想、「粤港澳大湾区」の関連銘柄が買われている。
同エリアの開発計画をめぐる期待感から、11日後場に入って関連銘柄が急騰。不動産や港湾セクターに物色資金が向かい、珠海港(000507)、塩田港(000088)、格力地産(600185)、珠江実業(600684)などが相次いでストップ高となった。
メディアによると、中国の李克強国務院総理は11日午前、「粤港澳大湾区」の開発に向け、年内に発展計画を策定するほか、中国本土と香港の債券の相互取引「債券通」を導入する方針を示した。本土と香港の交流や協力を一段と強化し、引き続き香港の発展に向け新たな原動力を注入することが狙い。この発言が、「粤港澳大湾区」関連銘柄が急騰する直接的な原因となった。
中国経済網論説員の劉艶氏は先ごろ、経済番組『我財経』に出演し、次のように述べた。
「別々のエリアの関連銘柄が資本市場に強い活力をもたらしている。「雄安新区」関連銘柄は熱い注目銘柄であることは確かで、引き続き物色されるだろう。一方、「粤港澳大湾区」も新たな投資テーマ株として注目されており、経済成長を力強く支えることが期待できる」
「2015年に「粤港澳大湾区」全体の域内総生産(GDP)は実質で1.3兆ドルに達したが、この額は中国経済全体を左右するほどの規模であることを意味する。世界に目を向けると、これと同じようなベイエリアがもたらす経済成長は軽視できるものではない。こうしたエリアは土地が広大というだけでなく、人口密度も高いが、「粤港澳大湾区」は人口6000万人口以上、面積5.6万平方キロメートルに上り、この規模からみて、経済成長を押し上げる力は極めて大きいといえる」
「粤港澳大湾区」関連銘柄は資本市場で注目銘柄となっているが、より重要なのは、これらがハイエンドサービス業やハイテク製造業などの産業に関連していることだ。そのスタート地点の高さやレベルの高さ、成長の速さから、他のエリアの経済成長が相対的に低迷してみえると同時に、新たな目玉として注目されている。「粤港澳大湾区」関連銘柄は、資本市場から注目されるだけでなく、経済面で1つの攻略ポイントとなっていることが重要だ」
「どの国も均衡ある経済発展を実現したいと考えるものだが、安定的な発展を維持するには、経済センターのようなテーマを数多く設けなければならない。「雄安新区」、「粤港澳大湾区」、「京津冀」(北京・天津・河北)、上海の浦東新区といった、多様な経済開発エリアや経済センターが国の経済成長を牽引すれば、最終的に国全体で均衡の取れた発展の実現につながるであろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年4月14日