ネットドラマ、ネットバラエティ番組などが流行し、多くの動画サイトがコンテンツ課金を収益モデルとしている。コンテンツに課金しようとするユーザーも増えている。艾瑞咨詢(iResearch)のデータによると、中国の2016年のオンライン動画市場規模は609億元で、ユーザーによる課金が19.3%を占めた。2019年にはユーザーによる課金が2番目の割合を占める見通しだ。
このような規模は、3年前では想像もできなかった。
中国ネットワーク視聴番組サービス協会番組部副主任の龔禹霖氏によると、各大手動画サイトは2010年より課金サービスを試験的に開始し、動画の課金配信と有料会員が中心だった。コンテンツはハリウッド映画が中心で、これに少数の国産新作が含まれた。2013年まで、各動画サイトが持つ著作権は少なく、映画の更新が遅かった。オンライン決済技術も未熟で、複雑な操作が必要だった。これにより有料会員の成長が制約されていた。2014年以降は国による海賊版撲滅が強化され、主流動画サイトも海賊版産業の取締で協力し、業界の健全な映像作品著作権環境を構築した。「それからモバイル決済市場が近年急発展し、安全で便利な決済サービスを提供し、ユーザーによる課金習慣を養っていったことも重要だ」
各大手動画サイトは2016年、人気番組の差別化配信により、課金ユーザーを引きつけた。動画サイトは映画の主な配信ルートになり、課金内容も多元化し、ユーザー数が急増した。
動画配信大手・愛奇芸の楊向華高級副総裁は記者に対して「国家の各部・委員会が共同で、オンライン著作権侵害・海賊版撲滅キャンペーンを展開し、大きな成果をあげた。特に2013年に影響力のある海賊版サイトとアプリを閉鎖すると、オンライン海賊版の状況が大幅に改善された」と指摘した。
中国ネットワーク視聴番組サービス協会のデータによると、動画課金の最大の年齢層となっているのは20代で、全体の44.2%を占めている。30代は23.4%、19歳以下は23.1%。40歳以上は9.3%のみ。
世界の成熟した市場と比べ、中国の動画課金市場はまだ発展の初期段階にある。楊氏は「オンライン動画課金事業の発展により、映画の収入が得られる期間が延び、映画館公開後の長い期間に渡り安定的な収入を確保できるようになった。より質の高いドラマが利益を生み、これがさらに制作の質を高めるようになる。アニメや子供向け番組なども新たなチャンスを手にする。ユーザーの課金習慣が養われれば、映像作品の著作権の別の収益モデルが形成される。ゲーム、関連商品、テーマパークなどの事業の収入規模も拡大する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年4月13日