「始め!」。現場の工事監督がひと声かけると、レバノンの首都ベイルートから南へ約40kmの山のなかで大きな音が伝わった。中国中鉄工程装備集団(中鉄装備)の全断面トンネル掘削機の先端が山を突き抜けて出てくると、現場ではにわかに大きな歓声と拍手が鳴り響いた。
これは、レバノン・ベイルート飲用水工事プロジェクトの第1段階、1区間の長さが約4kmのトンネル貫通現場の最近の様子だ。順調に貫通したトンネルについて、レバノンはプロジェクト建設プロセスのマイルストーンとみなしている。
大ベイルート飲用水工事プロジェクトは、レバノンで今、最も重要な民生工事・インフラ建設プロジェクトの一つで、ベイルート付近のアバリ、リタニの2本の川の水を大ベイルート地区に引き込み、この地区の40年あまりにわたる厳しい飲用水不足の問題を解決する。
プロジェクト主管のレバノン発展・再建委員会・プロジェクトマネージャーのエリー・モサリ氏は、『新華社』記者に対し、この大ベイルート地区「1号工事」が、2019年に竣工するとの見通しを明らかにした。プロジェクトが完成すれば、ベイルート地区全体の給水量を大きく増やし、約160万人に恩恵が及ぶと説明している。