先ごろ開かれた中共中央政治局会議で中国経済の現状分析が行われた際に、政府と企業の行動にポジティブな変化が起こっているとの指摘があった。これが需給関係の変化を促し、市場マインドの好転を後押ししている。
この「2つの変化」から中国経済の新たなシグナルが伝わってくる。新たな発展理念と供給側の構造改革の政策が浸透するとともに、中国経済内部の調整が深化、ポジティブな要素が重なり、安定の中で改善に向かう情勢が確かなものとなった。
「中国政府は行政手段による経済管理から、法治化・市場化手段を重視するサービス型政府へ移行しようとしている。経済の下押し圧力を食い止め、企業のモデル転換、新たな原動力の成長加速に重要な役割を発揮するのが狙いだ」と、中国貿促会研究院国際投資研究部の劉英奎・主任は語る。
政府の主体的な職能転換、企業の主体的なモデル転換加速、この2つが相互に作用する。経済モデル転換のうねりと政府の効果的な指導とバックアップのなか、多くの企業がイノベーションを柱に事業を起こし、ブランドや品質、サービス、基準、人材などの構築に注力している。
中国政府と企業の変化は世界も認めるようになった。世界銀行が発表した世界のビジネス環境ランキング2017によると、中国のビジネスのしやすさはここ3年でランキングが18上昇した。うち、事業設立の容易性は31の大幅上昇となった。2017年のフォーチュン・グローバル500によると、ランクインした中国企業の数は14年連続で増加し、トップの米国との差は一段と縮小した。