中国為替管理当局の人民元対米ドル基準値は1日、前日比135ベーシスポイント上昇の1ドル=6.7148をつけ、2016年10月17日ぶりの元高水準となった。
専門家は「人民元対米ドル相場は短期的に、現在の水準で安定を維持するだろう。年内で見ると、緩やかな元高が続く可能性がある」と判断した。
蘇寧金融研究院マクロ経済研究センター主任、高級研究員の黄志竜氏は昨日、証券日報の記者に対して「人民元対米ドル相場の上昇の主因は、米ドル指数の大幅な低下だ。米ドル指数は年初の103.3から7月末の93.3に低下した。世界で使用されているほぼすべての通貨の対米ドル相場が上昇している」と話した。
中銀香港チーフエコノミストの鄂志寰氏は昨日、証券日報の記者に対して「米ドルの疲弊のほか、中国の経済構造調整が積極的な成果を手にし、内需と貿易の状況が改善されている。また越境資金流動情勢に、安定化が見られる」と述べた。
鄂氏は「長期的に見ると、監督管理の強化やデレバレッジなどの措置が奏功し、中国の経済発展により蓄積された金融リスクが縮小し、経済の健全性が高まっている。中国と米国の金利差が広がったことも、国際市場の人民元需要の拡大につながった」と分析した。