建設銀行、農業銀行の一部支店が最近、「顔認証現金引出」サービスを開始した。招商銀行も全支店で同サービスを展開している。しかし現在、利用率は低めとなっている。
同サービスで重要になるのは「顔認証」だ。農業銀行と招商銀行は、利用者が極端に厚化粧していなければ、通常は認証可能だとしている。しかし利用者が整形手術をし、以前と比べ見違えるほどであれば、認証できない可能性もある。
農業銀行と招商銀行の利用者は、同サービスで1日3000元まで引き出せる。建設銀行は2500元。また同サービスにかかる時間は、農業銀行が20秒、招商銀行が1分内となっている。
同サービスの利用率は現在、低めとなっている。招商銀行の関係者は「毎日の取引額を見ると、同サービスがカードを使ったすべての取引に占める割合は10%ほどと低い」と話した。
中国人民大学重陽金融研究院の董希淼上席研究員は「顔認証技術は決済に早くから使用されている。銀行は利用者の利便性を高め、引き出しの選択肢を増やそうとしている」と話した。
民生銀行研究院の黄剣輝院長も、類似する観点を持つ。「銀行に行く時にカードを忘れた場合、この機能は便利だ。現在はまだこのような需要が存在する」
同サービスは銀行業内のトレンドになるのだろうか。董氏は「低コストで技術が成熟すれば、多くの銀行が導入するだろうが、一部の小規模な銀行が導入するとは限らない。一部の農業・商業銀行は農村部の利用者に特化しているが、農村部の利用者がこの引出方法を好まない、もしくは慣れない可能性がある。将来的により多くの銀行が同サービスを導入するが、その利用者と需要次第となる」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月15日