実際、通貨政策とマクロ政策の“二本柱”による調整枠組みは、金融リスク低減や金融安定維持という前提下で運用されている。易綱氏は、「リーマンショック以前の主流中央銀行の政策枠組みは通貨政策が中心だった。物価の安定を政策目標とし、インフレ防止に大きな効果があった。しかしリーマンショックの際、物価の安定は金融の安定につながるものではなかった。リーマンショック前のアメリカの物価は安定しており、金融資産価格は大幅に上昇し、市場の動きは明確な周期的上昇期にあり、市場を超えたリスク拡大が進んだ。
その教訓から、金融システムを安定的に維持するためには通貨政策だけでは足りない。金融システムリスクの主な要因は、金融の周期的な上昇時期および市場を超えてリスクが拡大することであり、マクロ監視こそがそのリスク回避の良薬となる」と述べる。また同氏は、“二本柱”による調整枠組みは2つの効果をもたらすとも述べる。1つは通貨の安定、もう1つは金融システムの安定維持である。
銀行業監督管理委員会の郭樹清主席は、「銀行業改革はこの5年で歴史的成果を収めた。今後は不良債権処理をさらに進め、金融監督を厳格化することで、銀行業の改革開放をより深化させていく」と述べる。同氏はまた、今年の前三半期までに銀行業が不良債権を9000億元以上処理したことを明らかにした。その一方で同氏は、その速度をさらに速め、産業能力削減、在庫削減、デレバレッジを進めるとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月23日