「ダブル11」(11月11日、中国の「独身記念日」)が近づき、物流業は試練を迎えようとしている。多くの物流企業が福建省でグリーン物流を実施し、グリーン宅配袋を普及させようとしている。福建省は年内に数百万枚のグリーン宅配袋を配布し、来年は1000万枚(1万本分以上の植林効果に相当)突破を目指している。福建省はさらに100のグリーンキャンパス・団地を設置し、毎年段ボール箱を100万個以上回収しようとしている。
ネット通販の発展は、人々の買い物の利便性を高め、経済成長率を高めている。しかしこれと同時に、宅配便の過度な包装、サイズの合わない箱、低い再利用率といった現象が普遍的に存在し、資源を浪費し環境にも大きな負担をもたらしている。これらの問題は重視されるようになってきたが、実際には包装基準の整備の遅れ、困難な再利用、環境保護意識の低さが、ECのグリーン包装及びグリーン物流の発展にとって3大ボトルネックになっている。
グリーン宅配袋に技術的な難題はない。物流ネットワークを手がける菜鳥網洛は環境保護部門、生態専門家、世界物流業界の提携先と協力し、物流の環境保護を促進する「グリーン計画」を策定した。同社は専門家と共に、100%生分解可能な宅配袋を開発した。この袋はPBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート)製で、可塑剤や難燃剤などの有害物質を含まず、自然環境内で数カ月で完全に分解される。
グリーン包装の普及は業界だけの問題ではなく、総合的な社会問題でもある。この問題を解消するためには、社会各界の共同参画、幅広い支持により、強い力を形成する必要がある。例えばグリーン包装の普及初期には必然的にコストが増えるが、店・宅配企業・ECサイトがこれを分担し、店が率先して生分解袋を使用する必要がある。またグリーン包装には消費者の支持、社会の環境保護理念の向上が必要だ。
中国速達協会は、今年のダブル11期間中の全業界宅配便取り扱い件数が、10億件を突破すると予想した。ダブル11というネット通販激安セールで、「グリーン」が基調となる。ECと宅配業者はグリーン宅配袋の使用、宅配ケースの共有、包装袋の再利用を推進し、グリーン物流ルートを切り拓かなければならない。また消費者も包装をすぐに捨ててしまう習慣を変えるべきだ。環境保護理念がなければ、どれほど多くの回収場所があっても飾りになってしまう。
中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告では、「最も厳格な生態環境保護制度を実行し、グリーンな発展と暮らしを形成する」と言及された。この目標を達成するため、各業界はグリーンな発展の理念を持ち、グリーンな発展を実践しなければならない。また波に乗るインターネット経済も、「グリーン」という基調色を失ってはならない。そのためグリーン物流は、ダブル11の基調になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月26日