中国の開放の扉が閉ざされることはなく、ますます大きく開かれる--中国金融業の対外開放の、重大ニュースが伝わった。中国財政部の責任者によると、中国側は個人もしくは複数の海外投資家による、証券、ファンド、先物への直接的もしくは間接的な出資比率の上限を51%に引き上げる方針を固めた。また実施から3年後に上限を撤廃することになった。これは証券・ファンド改革に重大な影響を及ぼす。
中国の金融業開放の歩みが止まったことはない。開放型経済の新体制が近年、徐々に健全化されている。対外貿易、対外投資、外貨準備は世界一をキープしている。中国は金融業の対外開放を共同推進し、人民元レート形成メカニズムを改善し、資本への干渉を減らしている。中国人民銀行(中央銀行)国際司の朱隽司長は「これは中国の経済成長に向けて良好な金融環境を創造する」と話した。
取り組みを加速し、機関への開放水準を絶えず高める。中国系金融機関が成長し、グローバル経営水準が着実に向上している。外資系金融機関が増加し、より広い地域を網羅し、事業が広く展開されている。
開放に伴い、外資系保険会社の事業展開が円滑化している。今年10月末現在、16カ国・地域の域外保険会社が中国で外資系保険会社を57社設立した。これには生命保険会社、不動産保険会社、再保険会社、資産管理会社が含まれる。中国保険監督管理委員会の関係者は「外資導入は保険市場の繁栄と安定を促し、市場主体構造を整え、業界の競争力を高めた。国内外保険会社の相互補完、公平な競争、調和的発展の局面を形成した」と述べた。
干渉の減少で、双方向開放水準が高まる。外為管理部門は近年、資本項目重点分野の改革を掘り下げている。資本項目兌換自由化改革は加速の持続、量的変化から質的変化の移り変わりを経験した。2016年末現在、40の資本・金融項目の取引のうち、中国は37で兌換可能、ほぼ可能、一部可能を実現し、全体の92.5%を占めた。
一連の改革が資本の自由な流動を促し、市場の活力を引き出した。債券市場を見ると、銀行間債券市場の域外発行主体と投資主体が拡大を続け、投資品目が豊富化している。証券市場を見ると、「滬港通」や「深港通」が順調に打ち出され、安定的に運行している。適格外国機関投資家(QFII)制度や人民元適格海外機関投資家(RQFII) の改善が続き、域外投資家のA株市場参与の熱意と自信が強まっている。株価指数の開発・算出を手掛ける米MSCIは今年6月、A株を新興国株指数に組み入れることを発表した。A株市場に170-180億ドルの資金が注入され、資本市場と国際市場がより緊密に結びつく見通しだ。
魅力拡大で、人民元の国際的な地位が向上。クロスボーダー貿易人民元決済の試行以降、中国は双方向スワップ、通貨直接取引、RQFII、人民元決済銀行、人民元クロスボーダー決済システム(CIPS)などの制度を通じ、為替レートのリスクを効果的に引き下げ、貿易と投資の円滑化を促進している。人民元は2016年10月1日に、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)構成通貨に正式に組み入れられた。国際準備通貨としての地位が認められた。
IMFアジア太平洋局のMarkus Rodlauer副局長はこれについて「IMFと世界経済にとって節目となる意義を持ち、人民元国際化の大きな一歩だ。これは中国経済が世界金融体制に融合することを意味する」と述べた。HSBCの黄碧娟・大中華区行政総裁は「中国の資本市場対外開放を継続的に促進する措置は、世界の投資家により多くのチャンスをもたらし続ける」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月20日