「デジタル経済の発展・開放と共有の促進ーインターネット空間運命共同体の共同構築」をテーマとする第4回世界インターネット大会が3日、烏鎮で開幕した。同日の会議において、AI、デジタル経済、5Gなどが、馬雲氏、李彦宏氏、馬化騰氏、雷軍氏、ティム・クック氏など多くの大物が最も多く口にするキーワードになった。
アリババ・グループ会長の馬雲氏
ここでは簡単に、3つの観点について話をする。
(一)この20年間に渡り、インターネットは「無」から「有」になったが、今後30年間でさらに「有」から「無」になる。この「無」とは「無い所はない」の無であり、ネットワークから切り離され存在できる人はいなくなる。インターネットは社会の各方面に浸透しつつあるが、今回の技術革命の影響力は、これまでのすべての技術革命の合計を上回る。我々はサイバー空間の深いレベルの問題について議論している。現在これはますます必要になり、有意義になっている。
今後30年間でデータは生産資料になる。計算は生産力で、インターネットは一種の生産関係だ。データ化に取り組まず、インターネットとつながらなければ、30年前に電気が使えなかったよりも恐ろしいことになる。今後30年に渡り、インターネットはIT企業だけのものではなく、すべての人のものになる。またサイバー空間、デジタル経済について懸念する必要はなく、これを利用するべきだ。
(二)世界では近年、新技術の時代及び技術に対する懸念が蔓延している。機械が仕事を奪い、機械が人類を制御し、人類が最も偉大な発明により滅びることが懸念されている。実際には新技術は職を奪うのではなく、より価値のあることに専念させる。重複する単純作業ではなく革新に取り組ませ、人の仕事をさらに進化させる。
そのため懸念するよりは取り組み、技術が職を奪うことを恐れるよりは技術を手にし、新たな問題を解決する方がいい。私は機械が人の仕事の尊厳と価値を高め、創造力を強めることを信じている。この30年間で我々は人を機械のようにしてきたが、今後30年間で機械を人間にする。しかし最終的には機械をより機械らしく、人をより人らしくするべきだ。技術の流れを阻止することはできないが、機械には魂も信仰もない。我々人類には魂と信仰と価値観、人類特有の創造力があり、機械を制御する自信を持つべきだ。人類の自身の脳への認識は10%未満だが、この10%により機械は人類を超越できなくなっている。
(三)デジタル経済が世界経済を再構築し、世界経済は新たなモデルを手にする。中国だけではなく、全世界が新たな時代に入る。新時代では新たな問題に直面するが、これは同時に新たなチャンスでもある。人類は「運命共同体」を共に構築することで、初めて新たな時代と課題を共に迎えることができる。人類が直面する一連の問題は共通のものだ。世界の産業チェーンは徹底的な変革を迎える。コンテナではなく小包の速達に、メイド・イン・チャイナやメイド・イン・アメリカではなくメイド・イン・インターネットに、B2CではなくC2Bになる。
さらに重要なのは今後30年間で、製造業が雇用をけん引するエンジンではなくなることだ。未来の製造業はサービス業になり、未来のサービス業も新型製造業にならなければならない。機械が多くの単純作業をこなすようになり、機械学習とAIによりさらに多くの仕事をこなせるようになるからだ。人類はより創意・創造力あふれる体験中心の仕事に従事する。サービス業は未来の雇用の主な出処になる。
グローバル化は普遍的な利益をもたらさなければならない。今日の問題はグローバル化によって生じたのではなく、グローバル化の不備によって生じた。貿易は300年前、数人の帝王に握られていた。30年前は大企業6万社に握られていた。貿易は将来的に、中小企業に握られる。これまでは受益者が2割だったが、今後は8割にしなければならない。グローバル化はこの世界の多くの人に達成感・幸福感・充足感を与えるべきだ。世界はG20とB20を必要とするばかりか、さらにG200とB200を必要とする。未来の越境貿易は一国で生産されたものを別の国で販売するのではなく、互いに相手側の雇用機会と価値を創出するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月5日