世界銀行の研究によると、世界的には1820年から1990年代にかけて所得格差が着実に広がっていったが、その後は縮小を開始した。これは新興市場の台頭により、貧困国の賃金上昇率が西側諸国の豊かな国を上回ったからだ。
所得格差の縮小そのものに重要な意義があるが、資産市場に対しても影響を及ぼす可能性がある。
例えば中国政府は製造業と輸出への経済の過度な依存を断ち切り、国内消費駆動型の社会に転向しようとしている。
NN投資パートナーの新興市場上席ストラテジストは「成長の構成に急激な変化が生じ、家庭消費が大きく貢献するようになった。後者は国内総生産(GDP)の50%以上を占め、すでに輸出に代わり資本・資産投資(つまり固定資産投資)の主な推進力になっている」と指摘した。
同氏は「貧しい人々は豊かな人々よりも消費に強い意欲を持つ。所得格差の改善はこの流れを強める。中国政府による公共医療の改善及び社会保障制度の強化の努力により、低所得者は安心して消費できるようになる」と分析した。
同氏は「所得格差の改善は、中国の消費・経済成長の推進力として、日増しに重要性を高めている」と判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年12月10日