家族旅行で春節を送る中国人が増えている。中国人は海外各地に消費の需要をもたらし、さらにモバイルネットワークや電子財布をベースとする「中国式決済」をもたらしている。アナリストは「中国の改革開放初期、銀行カード、クレジットカードなどの海外の決済手段が、広東省などの沿岸部から中国に伝わった。今や微信紅包、支付宝などの中国式決済が、世界の消費者の決済トレンドをけん引している」と指摘した。この「輸出入」は、中国の対外開放の掘り下げを示しており、かつ中国経済の発展の質と全体的な実力が、今や昔の比ではないことも反映している。
中国経済により生まれる活力
二次元コード決済技術は90年代に形成された。うち韓国と日本は、導入が比較的早かった国だ。それでは二次元コード決済はなぜ「中国式決済」の象徴として、世界に進出しているのだろうか。
現代の貨幣は信用貨幣であり、その決済手段にも大きな信用が必要だ。長年の改革開放により、中国の経済規模は世界2位になり、経済成長への寄与度は世界一になっている。国民の消費の活力と市場の規模が非常に大きい。二次元コードなどのモバイル決済方法は、電子商取引(EC)の波に乗り中国で高度発展した。利用者数が急増すると同時に業界の信用が蓄積され、時代的な特徴を持つ「中国式決済」になり、世界への輸出に成功している。
国家発展改革委員会国際協力センターの万喆チーフエコノミストは、本紙の取材に応じた際に「中国式決済の流行と海外進出は、中国の国際貿易における地位の向上、人民元国際化の掘り下げ、適切な金融監督管理、インターネットインフラの急成長など、多くの要素と関連している。しかし根本的に論じれば、中国式決済の成長と海外進出は、中国経済の活力によるものだ」と指摘した。
「まず、経済発展と開放の拡大に伴い、中国の対外貿易水準が高まり続けている。商品の種類、貿易構造、輸出額、決済ルールなどの面で、世界的な高い影響力をつけている。これは中国式決済の海外進出の経済的な基礎だ。次に、中国の全体的な実力の強化、中国企業の海外進出に伴い、人民元の国際的な信用と地位が高まり続けている。これは中国式決済の海外進出に、力強い清算の基礎を提供している。最後に、中国は金融・通信インフラで海外に遅れていたため、銀行カード、クレジットカード、POS端末など前世代の電子決済が、海外から国内に流入した。インフラ整備と人々の生活水準の向上に伴い、中国はモバイル決済分野でコーナーからの追い越しを実現し、海外をけん引し始めている」
同時に、政策面の支持と規範化も、この過程で無視できない要素だ。例えばモバイル決済業界の健全な発展を促進するため、中国人民銀行は昨年末に「コード決済業務マニュアル(試行)」「コード決済受理端末技術マニュアル(試行)」を印刷配布し、若干の具体的な要求を発表した。例えば新規定は参加資格について、決済機関は顧客にコードに基づく決済サービスを提供する際に、オンライン決済事業許可を得ることとした。またクレジットカード現金化を防止するため、同一身分証により同一受理機構で取引を行うすべての少額口座に対して、クレジットカードによるコード決済受取金を1日1000元以内、月1万元以内にするよう求めた。
中国人民大学重陽金融研究院の董希淼高級研究員は「中国のモバイル決済は2016年の時点で、件数でオンライン決済を上回り、小売決済の重要な支えになっていた。これは近年の、越境貿易と人員往来の頻繁化と関連している。金融開放の重要な一環として、中国監督管理レベルは今後、決済業界の国際ガバナンスにさらに参画する必要がある」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月20日