「現在、時速400キロのフリーゲージ、時速600キロの次世代リニアを研究開発中だ。我が国の高速鉄道利用客は今後、ホームシアターに入ったような快適さを感じることだろう……」。先日開催された国務院新聞弁公室の記者会見で、中国高速鉄道制御技術のリーダーの1人である中国工程院の丁栄軍氏が、高速鉄道のビジョンを描いてみせた。
1人あたりのエネルギー消費は「和諧号」より17%減、技術基準の84%を中国基準で生産、1000件以上に上る独自の特許技術体系……。丁栄軍氏によると、中国の高速鉄道分野での研究は現在、前人未到のイノベーション領域に入った。
同氏は、「いま我々が利用している『復興号』は、広々として快適で、より速く、携帯もより掛けやすくなっている。身をもって感じられる変化だ」と述べた上で、「我々は今、メディアとつなげて映像を車上に持ってくる方法を研究している。利用者が高速鉄道に乗ると、窓がホームシアターのようにスクリーンに変化し、旅の疲れを忘れるようなサービスを提供したい」と述べる。
AIというキーワードを得た中国高速鉄道は、ハイテク感満載のスマート高速鉄道に変わろうとしている。同氏は「これまでの我々は後追いだった。現在は並走している。近い将来はトップに踊り出るはずだ」と述べる。リニアモーターカーはすでに製作を終え、認可待ちにある。将来は自動運転や無人運転の技術分野に力を入れるという。
急速に発展する高速鉄道技術は、近年の中国技術革新の成果の縮図といえる。そして「大事に力を集中する」という社会主義ならではのやり方の体現ともいえる。
科学技術部の万鋼部長は記者会見で、「中国共産党第十八回全国代表大会以降、党や国家全体における科学技術のイノベーションの戦略的地位は著しく上がっている。歴史的、構造的に大きな変化をもたらしている。中国は世界的影響力のある技術大国になった」と述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月4日