ハイレベルのイノベーション人材の誘致、維持、発揮をどのようにすべきか。全国人民代表大会代表で復旦大学教授の丁光宏氏は、国家レベルの機能を完備した人材情報バンクの構築、国際人材が国内の大学の科学研究院にイノベーション科学研究チームを発足できるよう「グリーンゲート」を切り開くことが大事だとの見解を示した。
丁光宏氏は、国際人材に国内の大学の科学研究院での博士研究生や科学研究助手、技術者ら募集のための「グリーンゲート」を提供し、イノベーション科学研究チームの発足、中国での世界的な研究・開発協力基地の設立を奨励し、これを基礎により多くの国際人材を引き込み、開放的な国際化チームを構築すると同時に、現地のイノベーション人材を多く育成するべきだと話した。
重慶市科学技術研究院技術評価・移転サービスセンターの楊帆主任は政府活動報告の「イノベーションチームとリーダー人材により大きな財産支配権、技術路線決定権を与える」という内容に深い印象を受けた。彼女は、関係部門は早急に政府活動報告にある政策ボーナスについて具体的かつ実現可能性の高い措置を制定し、成果転化による利益の税優遇改革に力を入れ、関連法で成果転化による利益の税優遇および実施プロセスなどの規定を一致させるよう強化すべきだと提案した。
楊帆市は科学研究員の満足感を高める方法について、科学技術管理の体制をイノベーションし、科学研究プロジェクトを段階ごとにつなげ、プロジェクト研究への持続的支援と継続的推進を促し、確実な措置で科学研究員の積極性を引き出すことを提案した。
イノベーション型国家の建設には人材が必要で、ハイレベルのイノベーション人材を誘致するために各地は関連の政策を打ち出している。しかし、東北、西部地区の人材が経済の発達した地域に急速に流れるという問題があり、中国科学院瀋陽分院の韓恩厚院長もこれに関心を示している。韓恩厚氏は、「東北、西部地区のイノベーション人材の急速な流出は、時間が経つにつれてより深刻な不均衡をもたらし、国家科学技術イノベーションの協調的発展に不利になる」と話した。
これについて韓恩厚氏は、関係部門が評価を行う際に国内の各機関を移動する人材を5~10年は人材指標に組み込まないことを提案した。また、「発達した地域は資金調達能力が高く、東北や西部で働く各ハイレベルのイノベーション人材に経費の支援を増やし、人材のこれらの地域での維持、発揮を促し、東北振興、西部開発などの国家戦略を有効的に実施し、人材の窪地が経済の窪地に繋がらないようにすべき」との考えを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月18日