中国ではこの5年間、イノベーション主導の発展による数多くの成果が上がり、有人宇宙船、深海探査、量子通信、ジェット機などの重大なイノベーション成果が相次いで現れた。高速鉄道ネットワーク、電子商取引、モバイル決済、シェアリングエコノミーなどが世界の趨勢を牽引していることは、中国が実施したイノベーション主導型発展戦略に端を発している。今年の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では、「創新(イノベーション)」というキーワードをめぐり、全人代代表・全国政協委員の議論が尽きなかった。
「過去5年に、研究開発投資が年平均11%で伸び、世界第2の規模となったことは、中国のイノベーション型国家建設の加速を示している」。全国政協委員、民盟河北省委副主委、燕山大学副校長の張福成氏は、神威スーパーコンピューター、量子通信、北斗衛星測位システムというシンボリックな科学技術イノベーション成果が相次いで現れたと指摘。イノベーション発展戦略の推進に伴い、新産業、新業態、新モデルに代表される新たなエネルギーが培われたとしている。
張福成氏は、こうした成果が中国の制度的メリットによる恩恵を受けており、必要な分野へ資源が集中されることで、有人宇宙船、航空、コンピューター軍需などの分野が飛躍し、科学技術の実力が急速に上がったと説明。同時に、中国の制度が国民の利益を中心に据え、最大限に国民の創造活力を喚起していると話した。中国は、科学教育立国、人材強国、イノベーション主導発展戦略を打ち出し、科学技術が第一の生産力となって、国の経済発展に枯渇することのない活力をもたらした。経済の実力強化は、科学技術発展の大きな助力となっている。高等教育の発展は、科学とエンジニアリング技術の人材群を育成し、中国の科学技術イノベーションに、先進国に比べ人材コストの優位性をもたらした。